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執筆者の写真松下佳介

敷地の読み取りかた

今回は私が普段おこなっている周辺環境をどう考えるかという、建築を設計するうえで大切なお話しを少し書いてみようと思います。

先ず、初めにこの様な区画整理された住宅街を想定してみましょう。設計者として、ここにどの様に建物を配置させるか。皆さんならどうお考えでしょうか。


ハウスメーカーなら先ず、こんな配置で設計される事がほとんどです。

私が昨年、携わらせていただいた高崎の家の南側に隣接する住宅もこの様に配置されていました。おおよそ、道路側に車庫を2台ほど設けて、残り部分に住宅を配置させるのではないでしょうか。私も多くのこの様な図面を見たことがあります。しかし、これではせっかくの日当たりの良い南側が塞がれてしまっています。

次の画像はその場合の1日に4時間以上日陰になる場所を表しています。ほとんど日陰にあたってしまっています。

しかも、隣接する住宅からの影もあり、部屋の中が暗くなるだけでなく、冷暖房費もかかってしまいます。

次の画像は日陰になる時間を立体にしてみたものです。色が濃く、また立体が積み重なるほど日陰時間が長いことを表しています。薄いブルーが建物なので、室内までも日陰でおおわれている様子がわかりますね。

次は室内の1日における日射時間を表したシュミレーション画像です。

南に隣接する住宅の庭になっている箇所から若干日当たりが取れる程度です。朝日をあびたい寝室やキッチンが暗いままです。この様に南にどうしても庭を取れない場合はまだしも、工夫をすれば快適な家になるはずのものが、設計の考え次第でこのような結果となってしまいます。敷地と周辺環境、そして、その土地がこれからの将来にどの様に変化していくかを考える事がとても大切なことになります。


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