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執筆者の写真松下佳介

建物配置をシュミレーション

前回に続き、この敷地にどういった配置をすれば快適で明るい住宅を得られるのでしょうか。考えてみたいと思います。

前回から、(上方向が北)南に庭をとり、北側に建物を配置する事がベストだとわかりました。そこで、今度は建物を東側に寄せるのか?西側に寄せるのか?どちらが良いと思われますか。


下の図は西側配置です。(これは駐車場を2台として日当たりを優先させ、どちらかに縦列駐車とした場合です)

実際にこの配置でシュミレーションを行ってみましょう。

こちらは日射熱をシュミレーションしたものです。南側配置よりずいぶんと増えました。しかも南に隣接する庭の隙間より日射が取得なされリビングと寝室までも光がとどいています。


次に東側に配置した場合を検証してみます。こちらは南側に隣接する庭の部分からの影響でより室内に光が届き、明るくなっています。


次に示すのが日照を断面で表したものです。これはリビングダイニングの窓部分を南北に切断したものです。こちらでは南からの日照を冬場の寒い室内に届けるべく東南角を吹抜けとしたプランでシュミレーションしています。これで示す通り、建物を北側に寄せる事で光が室内の奥まで届くようになりました。

実は東に配置させた建物と西に配置させた建物とでは、断面から見るだけではあまり違いがわかならいので、ここでは東配置された画像を例として載せています。

東に配置させた住宅。西に配置させた住宅はいずれも、断熱性能が同じです。(Ua値)

シュミレーションとして壁は高性能ロックウール100ミリ、屋根断熱は高性能ロックウール200ミリ、基礎断熱はスタイロフォーム第3種の45ミリとしています。

さて、一般的には断熱性能はUa値のみで判断されがちですが、建物の配置でどれだけ性能が異なるのか、さらに掘って検証してみました。

これは、建物2階における東西配置の違いによる室内環境の比較をシュミレーションしたものです。全く同じ性能の建物ですが、敷地の東に配置されたものが右のプラン、西に配置されたものが左のプランです。室内にかかれた温度は1月10日の場合の室内温度です。

一目瞭然ですね。東に建物を配置させ、日射取得を上手に利用したものは、西側に建物を寄せたものより、リビング吹抜けで3.1度、子供室で2.6度も違います。この差は大きいですね。

次に示す画像は夏場の8月6日の暑い時期に室温をシュミレーションしたものです。

こちらは吹抜けの場所で東側配置の方が1.2度程暑くなっています。

夏場は太陽角度が北東からのぼり、北西から沈んでいきますので、その影響で北側の室温も上がってしまっています。こういう場合は南側の窓にアウターシェードや庇などを付けて日差しをもっと遮る工夫が必要だと考えます。

この様にシュミレーションする事によって、Ua値だけでは見えてこないきちんと考えられたパッシブ設計が可能となります。


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